Jensen氏はBSSRDF(dipole近似)で、等方的な拡散反射が説明できることを示しています。
したがって、BSSRDFを積分したBRDF近似(diffuse approximation)や、BSSRDFのモンテカルロ積分で平均パス長が小さければ、拡散面と同じような結果がでるはずです。
いままでの実装では、微妙に結果が違ったので、同じような結果になるように訂正しました。


まず、これが普通の拡散反射の計算結果です。



で、これがBSSRDFのdiffuse approximationの結果です。拡散反射の結果と比較するため、single scattingとフレネル反射はカットしています。



最後に、BSSRDFの周りをモンテカルロ積分で計算した結果です。





サンプリングを使って推定しているので、ノイズが多いです(実際のSSSの計算にはこれを使います)下二つは結構複雑な計算式を使っているわりには、全て似た結果が出ているので、大体は合っていると思いますが・・


普通の拡散反射では、光源へのシャドウレイだけではなく2次レイも飛ばしています。
そのため、ポットの取っての裏側も明るく見えます。今のSSSの計算では、光源へのシャドウレイの寄与しか考えていないため、BSSRDFの入射位置から2次レイを飛ばす必要があります。普通の拡散反射の場合と同じようにしていいのかは解りません。
また同様に、single scattingも光源へのシャドウレイの寄与しか考えていないので、2次レイを飛ばす必要があります。
この場合は、位相関数に従って重点的サンプリングすればいいのかな?面の場合に比べて、次元が大きいので収束が遅そうですが・・


あと、Jensen氏のSSSの論文では、テカテカしたSSSのティーポットが出てくるのですが、SSSのフレネル反射だけで、こんなにテカテカになるはずはない(mableで\eta=1.5とかだし)と思っていたけど、どうやらこれはグロス光沢というもので、鏡面反射する膜の下にSSS物体があるというものでした。
PBR本に、グロス関係のBRDFはいくつかありました。