擬ポテンシャル+OPW法でバンド計算

有名なPseudopotentials that workの論文のパラメタ表から引っ張ってきて
擬ポテンシャル+OPW法でSiとLiのエネルギーバンドを計算してみました。


↑Liのバンド図


↑Siのバンド図

Siのバンドギャップがないのが気になりますが、大体形はあってそうです。
計算では局所クーロンポテンシャル(価電子の電子反発・交換項とか入れてない)の
1原子あたり5つのパラメタのみ使ってみたのですが、かなりそれっぽくなったので驚きです。
プログラムもとても短くて3時間くらいでできてしまった。
とりあえずバンド計算しようと思ったら擬ポテンシャル+OPWが手っ取り早くていいかもしれません。

いままで、無理やり量子化学で使われるGTO基底ベースの方法で、周期化(periodic HF法)しようとしてましたが、
うまくいきませんでした。GTO基底関数は、軌道係数が0.1とかの軌道計算が不安定になって、
(実際の計算では、この基底をとっぱらったりすることもあるらしいですが)これだとバンド計算で
重要な価電子の軌道がうまく表現できないためかもしれない。ERI積分の計算にかなりの時間とメモリを
使ったりするので、これも大変。
それに対してOPWは価電子の軌道のみを100個とかの平面波で展開するので、それなりに表現できるようです。
計算も早いです。