TB法でエネルギーバンド計算
以前p系軌道の解析積分の計算結果を載せていたのですが、
あれは原子用に原点中心にした簡易バージョンです。
分子や結晶のエネルギーを計算する場合は、多体中心積分をやらないと駄目です。
s軌道系なら結構簡単に計算できますが、p軌道系以上になると途端に複雑になります。
こういったガウス軌道の積分方法は文献[1]が詳しいです。ただ、p軌道以上の
積分結果は「とても複雑になる」としか書かれていないです。
これといった簡単に計算できるアルゴリズムもないのかな?
ただし、計算の指針は書かれいます。
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sガウス軌道関数を
とする。に関して微分をするとp系の軌道関数が得られる。
となるので、各種解析積分は例えば以下のようにs系解析積分を微分して計算できる。
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というものです。確かにこれで機械的に計算できそうです。
ただ、2電子積分となると4階の微分操作が必要で、やっぱり面倒&複雑になりそうです。
こういうのはmathematicaで結果を展開するといいかもしれません。
一応、手動でp軌道の2中心のクーロン積分()を計算しましたが、これで力つきました。
しかし、頑張って厳密にp軌道系を計算するようなことをせずとも、
実際にはp軌道系をs軌道系の和で近似する方法がとられているようです。
おまけ:
丸善分子キットで単純立方格子を作ってみた。
微妙に歪んでいるのは買ったのが有機系キット(無機系は高い)らしく
うまく組み立てられず、かなり無理して作ってます。
参考:
[1]新しい量子化学―電子構造の理論入門〈上〉
[2]金属電子論〈上〉
[3]コンピュータでみる固体の中の電子―バンド計算の基礎と応用