【物理】ハートリーフォック法・p軌道2電子積分
前回の計算は間違っていました。ティッセン本と同じやり方(フーリエ変換とデルタ関数をうまく使う方法)
でp軌道の2電子積分を計算しました。テクニックとしてはフーリエ変換、デルタ関数、部分積分、球面座標変換を
使いますが結構面倒です。
結果は次の通りです。
p軌道系はpx,py,pzの3種類あるので、それらの2電子積分は以下となります。
プログラムも置きます。VC++2008(無料)で開けます。
Ne原子の基底状態のエネルギーとKoopmanの定理で第1イオン化エネルギーを計算します。後者は微妙です。
http://g0307.hp.infoseek.co.jp/hartree_fock.zip
実行するとこんな感じです。
■上式の導出
原子の場合のp軌道系の2電子積分は以下となる。
とすると、
となる。
のフーリエ逆変換はで、のフーリエ逆変換はより、
となる。
ここで、デルタ関数を利用する。
例えば、を代入してとに関する積分項を減らせる。
また、デルタ関数の作用を用いると、
となる。
積分の中は以下のように展開できる(変数をとした)。
それぞれの項目に対して球面座標に展開して積分を行うと、
より、
第1項目は、
第2,3項目は、
第4項目は、
となる。
以上をまとめると以下の結果が得られる。
また、p軌道系はpx,py,pzの3種類あるので、それらの2電子積分は以下となる。
終わり。
■のフーリエ変換
■のフーリエ変換
■のフーリエ変換